目の前に広がる海があまりにも青くて、その中に入らずにはいられませんでした。
この旅でメキシコから持ち帰ったものは「海の青さ」です。
カンクンのビーチホテルで2泊した後、私たちは他のグループと合流するため市街地にあるAirbnbの宿に移動しました。
待ち合わせ時間なんて、あってないようなもの。散々待ったあげくに全員が合流して対面しました。
私と相部屋になったのは20歳の女の子で、母親と2人で参加しているようです。
挨拶も早々に、彼女はスタスタと外の街へ出て行きました。ツアー中の2週間、私たちはずっと同じ部屋で一緒に過ごしました。
彼女は、まるで私でした。
翌日からは、プラヤデルカルメンという街で過ごし、ビーチで遊んだり、街歩きをして楽しみました。私は夢中で海を感じました。
今まで海に入るこはほとんど無かったのでとても新鮮な気持ちです。
お酒を控えていたので、ビールやカクテルはお預け。
飲んだらまたやめられなくなってしまいそうだから。
当時、私の心はまだ不安定だったようです。
思い返すと、ずいぶんな粗治療。ショック療法とも言うのでしょうか。
人は、まったく違う環境に身を置くと、まったく違う人間になってしまうことがあります。
何も変わらないという選択をすることも出来ますが、あまりにも美しい海とラテンの風に乗って、私の心も輝いていきました。
自分を変えたいなら、旅に出たらいい。
遠ければ、遠いだけいい。
初めてのタコス。
初めてのスペイン語。
強い日差しに負けないカラフルな建物。
その空気が、大地が、私の魂を元気にしてくれました。